ファーストキス



 


食堂を出た二人は校舎前のベンチに腰掛けた。
ほとんどの学生が食事中なのでお昼は空いている場所だ。











 


ジーン「この前結局映画観れなかっただろ?時間合わなくて。」

アイビー「うん。残念だったね。」

ジーン「今度の土曜日休み取れたんだ。映画観に行かないか?」

アイビー「わざわざお休みとったの?」

ジーン「うん。別にわざわざってわけでもないけどさ。一緒に観たかったから。」







 


アイビー「ジーン・・・どうして私を誘ってくれるの?」

ジーン「え?」

アイビー「だって私、これといってとりえないよ?いっつも本ばっかり読んでるつまんない女の子だよ?」

ジーン「そんなの俺だっていっつも学校サボってばっかの不良少年だぞ?」

アイビー「ジーンは全然不良じゃないよ。自分の将来のためにがんばってるじゃん。私には夢もない。」




 



ジーン「夢なんてみつけようと思ってみつかるもんじゃねーよ。自分が好きなこと探してたらいつのまにかそれが夢になるって感じ。」

アイビー「好きなことかぁ・・・・。」

ジーン「俺はお前の雰囲気とか素直な性格とか、そういうのが好きなの。一緒にいて楽しいし。もっとお前のこと知りたいって思ってる。」

アイビー「・・・・。」

ジーン「お前は俺のことどう思ってる?」

アイビー「・・・・好き・・・・みたい。」

ジーン「俺もお前のこと好きだよ。だから一緒にいたいって思うんだ。」

アイビー「・・・・ありがとう。」





 


ジーン「そんで?土曜のデートの返事は?」

アイビー「うん。行きたい。」

ジーン「よし。素直でよろしいw」








 


土曜日。
デートの当日がやってきた。
二人は美術館前の広場で待ち合わせをした。
アイビーが噴水の前で待っていると、ジーンが遅れてやってきた。


ジーン「よぉ。早いな。」

アイビー「初デートだから。遅れちゃダメだと思って早く来すぎちゃったw」







 


ジーン「別に初じゃないだろw」

アイビー「ちゃんと待ち合わせして会うのははじめてだよ?」

ジーン「まぁ、たしかにそうだなw てか、服かわいいじゃん。似合ってるよ。」









 


アイビー「本当?ありがとう。ママにデートだって言ったら買ってくれたんだ♪」

ジーン「へぇ~。いい母さんだな。」

アイビー「うん。ママは小説家なんだ。」

ジーン「へぇ~。お前みてたらいい両親なんだなってのが伝わってくるよ。」

アイビー「えへへっ。」





 


ジーン「お昼は食べてきたか?」

アイビー「うん。ジーンは?」

ジーン「俺はまだ。映画館でテキトーに食べるよ。早めに行くか。」

アイビー「うん。」








 



映画を観終わった二人が劇場から出てきた。


アイビー「ジーン寝てたでしょ~。」









 



ジーン「ごめんごめんw あの暗いのが耐えられなくて・・・。」

アイビー「もうw 結構面白かったのに。」

ジーン「そうなんだ?DVD化したらもっかい観るわ。」







 


ジーン「日が暮れてきたな。おなかすいてる?」

アイビー「映画観ながらポップコーン食べてたから、全然すいてない。」

ジーン「そっか。このあとうち来ないか?」

アイビー「ジーンのおうち?」

ジーン「うん。」









 


ジーン「母さんにお前のこと紹介したいし。」

アイビー「ジーンのお母さん?」

ジーン「もうすぐしたら母さん仕事にでかけるけど、今ならまだギリ家にいるはずだから。平気?」

アイビー「うん。」

ジーン「じゃあうち行こうぜ。」








 


二人はジーンの家にやってきた。
一階建てのこじんまりとした家だ。


ジーン「ここ。」

アイビー「うん。(ジーンのお母さんかぁ。緊張するなぁ~。) 」


鍵を開けて家に入る。


ジェニファー「おかえりなさい。」






 



ジーン「ただいま母さん。この子、こないだ言ってたアイビー。」

アイビー「こんばんは。はじめまして。アイビー・スカイブルーです。」

ジェニファー「噂のアイビーちゃんね♪ ジーンの母親のジェニファーよ。よろしくね♪」

アイビー「ジーン先輩にはいろいろとお世話に・・・。」






 


ジェニファー「あら、ホントは先輩なんて呼んでないんでしょ?いいわよ普通で。この子、昔から気に入った子には呼び捨てで呼ばせるのよw」

ジーン「母さん~。」

ジェニファー「うふふっ。あなたとっても素敵ね。性格が顔に出てるわ~。」








 


アイビー「そんなことないです・・・。(お母さんのほうが吸い込まれそうなくらい綺麗なブルーの瞳!ジーンと同じ、綺麗なブルー・・・。) 」

ジェニファー「あなたみたいな素敵な子が彼女なんて、ジーンは幸せ者ね♪」

アイビー「彼女・・・?」

ジーン「母さん・・・・。」









 


ジェニファー「うふふっ。じゃあ私は仕事があるからそろそろ出かけるわね。ごゆっくり♪」

ジーン「いってらっしゃい。」

アイビー「いってらっしゃい。きをつけて。」











 


ジェニファー「はぁ~い♪ いってきま~す。」


ジェニファーが家を出た。
その後姿を見送る二人。








 


アイビー「ジーンのお母さん、すっごく若くて美人だね!」

ジーン「俺は母さんが18のときの子供だからな。今年36だよ。」

アイビー「へぇ~。若いね~。それにジーンとおんなじ、綺麗なブルーの瞳!見つめてたら吸い込まれそうだった。」

ジーン「ははっ。ごめんな、びっくりしただろ、あんなかっこで。母さんパブで働いてるんだ。」

アイビー「へぇ~。大変だね。」

ジーン「うん。昼もスーパーでレジ打ちやってかけもちしてるしな。ホント、苦労かけてるよ。」

アイビー「すごいな・・・ジーンのお母さん。」

ジーン「なんか飲むか?コーヒーでいい?」

アイビー「あ、うん。ありがとう。」






 


ジーン「座ってて。」


ジーンがコーヒーを用意してくれている間、ソファーに座ってテレビをつける。












 


アイビー「 (お母さんがでかけたってことは、今この家に二人っきり?お母さんとの初対面で緊張してまったく考えてなかった!どうしよう・・・・急にドキドキしてきちゃったよ・・・・。) 」










 


ジーン「はい。どうぞ。」

アイビー「ありがとう・・・。」


ジーンが隣に座る。
二人は並んでテレビを観た。










 


ジーン「この時間、あんま面白いのやってないな。」

アイビー「そうだね・・・・。」


沈黙が流れる。


アイビー「 (ひゃ~、緊張してテレビに集中できない・・・・。) 」







 


アイビー「そ、そういえばねっ、私の友達にラトっているんだけど。本名はラトーシャなんだけどねっ。みんなラトって呼んでて。」

ジーン「あぁ、いつも一緒にいるショートカットの子だろ?」

アイビー「そう!ラトは私と同じ、4人兄弟の末っ子で他は男ばっかりなのに、全然私と性格違うの。」

ジーン「へぇ~。」






 


アイビー「ラトはねっ、サバサバしてるから男子とも仲良くて、でも女子の友達もいっぱいいてね。小さいときはいじめっこにからまれた私とディーンをよく守ってくれてたの!かっこいいよね?」

ジーン「へぇ~。」

アイビー「それでねっ、ラトは料理もすごく上手なの!両親が仕事忙しいからよく手伝ってるんだって!えらいよね!」

ジーン「なぁ。」

アイビー「え?」







 


ジーン「もしかして、緊張してる?」

アイビー「う・・・うん。」
 
ジーン「二人っきりになったから?」

アイビー「・・・・うん。」

ジーン「俺のこと怖い?」

アイビー「怖くはないよ。」

ジーン「ちょっとこっちおいで。」







 


ジーンがアイビーの肩を抱き寄せた。
緊張して固まるアイビー。


ジーン「そんなにこわばんなよw いきなり襲ったりしないってw」

アイビー「うん・・・・。」

ジーン「お前、ファーストキスはいつ?」

アイビー「・・・・そんなのしたことない。」

ジーン「マジで?」

アイビー「うん・・・・。」






 


ゆっくりと体を動かして、ジーンがそっとアイビーのおでこにキスした。


アイビー「 (ひゃ~~~~~///// 顔が近いっ////)」












 



ジーン「怖かった?」

アイビー「怖くないけど・・・恥ずかしい////」

ジーン「恥ずかしいかw じゃあ今度は口にキスするよ?」

アイビー「う・・・・・うん。」

ジーン「目つぶって。」








 



ゆっくりとジーンの唇が重なる。
やさしく、そっとキスした。


アイビー「 (あったかくて・・・柔らかい・・・・・。) 」








 


ジーン「どう?ファーストキスの感想は。」

アイビー「あったかい・・・・。」

ジーン「そんで?」

アイビー「柔らかいね。ジーンの唇。」

ジーン「もっかいするぞ?」

アイビー「うん・・・。」









 



アイビー「 (ジーン・・・いい香り。柔軟剤の香りかな・・・?キスってドキドキして気持ちいいな。・・・・あ、なんか目の前・・・お花畑♪ ) 」










 



ジーン「ファーストキスだもんな。なんか嬉しい。お前のファーストキスの相手になれて。」

アイビー「ジーンのファーストキスはいつ?」

ジーン「わかんねえw ショーパブで母さんの友達に散々やられたからな~。ちゃんとしたのは小学6年のときかな。」

アイビー「もう一回・・・・したいな~・・・・なんて・・・。」

ジーン「ははっw 喜んで♪ 」









 


アイビー「 (あぁ、やっぱり・・・・ジーンの唇、柔らかくて気持ちいいな。) 」








 


アイビー「 (このままずっと、時が止まればいいのに・・・・。) 」





Comment

1. 無題
ぐはっ!(///∇//)
ドキドキしましたw
やっとまともに付き合えたのですね!
おめでとうw
しかしララちゃんが知ったらどうなるんだろう・・・。
ただえさえ、嫉妬しているのに・・・;;
先が怖い・・・・・;;
2. Re:無題
>どーるぃさん

いつもありがとうございます^^
今回はティーンのファーストキスということでじっくり、リアルに書いてみました( ̄ー ̄)ニヤリ
アイビーははっきり「付き合う」とは言われてないんですけどねw
でもジーンママは「彼女」ってゆってますし、どうなんでしょうね~w
ララが知ったらどうなるんでしょうね~^^;
3. 無題
おはようございます!
あーもぅ、読みながら私がドキドキ(ニヤニヤ?)してしまったw
家で二人きりとか、ファーストキスなんて・・・(遠い目
ララちゃんはもう、諦めて欲しいですね。
今後アイビーちゃんにまさかの嫌がらせとかしないだろうな・・・。
でも、アイビーちゃんはララちゃんの気持ちとか
全然気付いてないでしょうから
今はただただ幸せなんでしょうね(´▽`*)
4. こんにちは^^
なで肩さんこんにちは^^
アイビーちゃんとジーンくん、お互いが好きって確認しあいましたね~( ´艸`)
ティーンの甘酸っぱいファーストキスは、いい年こいてドキドキしちゃいましたw
娘がだんだん年頃に向かってるので(現在小学5年生)、いずれこういう甘酸っぱい経験もしていくんだろうか・・・いかんいかん!!とか、リアルと重ね合わせて見てしまいましたよ~(^▽^;)
ララちゃんが、この2人の事知ったらどうなってしまいますかね・・・
アイビーちゃんはララちゃんの気持ちに気付いてないみたいだから、きっと言っちゃうと思いますしね・・・
6. Re:こんにちは^^
>ゆきさん

いつもありがとうございます^^
ジーンはホントまっすぐですねw
私も自分で書きながらドキドキニヤニヤしちゃいました(ノ´∀`*)
娘さん大きいですね!
しかも思春期!
ファーストキスはまだなのかな?(*´∀`*)
最近はいろいろ早いですからね~。
年頃の娘さんを持つ親は大変ですね(ノ´∀`*)

ララは泣いちゃいそうですよね^^;
アイビーはララの気持ちに気づいてないから、言っちゃいそうwww
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